骨盤臓器脱外来について
女性特有の疾患である骨盤臓器脱をご存じですか?
骨盤臓器脱は、女性特有の疾患です。陰部の診察・検査が必要であり、受診しづらく我慢をしている女性の患者様もたくさんいらっしゃると思います。当科では、そのような患者様に少しでも気兼ねなく受診をしていただけるように女医による「骨盤臓器脱外来」を2024年7月より開設いたしました。
骨盤臓器脱とは?
骨盤では靭帯・筋肉・筋膜などの組織で膀胱・子宮・直腸を支えていますが、主に妊娠・出産などでこれらの組織や神経などに損傷を生じると、骨盤臓器を支えきれなくなり、膀胱・子宮・直腸・小腸・膣自体などが飛び出してしまう疾患です。
子宮摘出術、肥満、閉経、加齢、慢性的な便秘・咳、重いものを持つ仕事などで、さらに骨盤臓器脱になりやすくなるといわれています。
飛び出した臓器により、膀胱であれば膀胱瘤、子宮であれば子宮脱、直腸であれば直腸瘤、小腸であれば小腸瘤、膣断端であれば膣断端脱といいます。複数の臓器が飛び出すこともあります。
症状
- 「何か」が下がっているような感じ、落ちてくるような感じ、引っ張られる感じがする
- 膣のあたりに「何か」が飛び出しており触れる
- 膣のあたりに「何か」がはさまっている感じがして歩きづらい
- 椅子に座ると「何か」の上に乗っているような感じがする、また「何か」が引っ込む
- 突然尿意が出て排尿の回数が多い
- 残尿感がある
- 尿が漏れてしまう
- 力んでお腹に力を入れないと尿が出にくい
- 便が出にくい
- 下着に血がつく
- 腰痛がある
検査
- 尿検査:血尿や感染症の有無を調べます。
- 台上診:診察台の上で足を開いて膣付近の診察をします。脱の部位・程度などを調べます。
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残尿測定:脱により尿がしにくくなり、排尿後に膀胱に尿が残ることがあります。超音波装置を下腹部に当てて残尿の量を調べます。
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ウロフローメトリー:脱により尿がしにくくなり、尿の勢いが落ちてしまうことがあります。トイレ型の機器に排尿すると自動的に尿流カーブを記録でき、尿の勢いの程度を調べることができます。
- MRI検査:骨盤内での脱の部位・程度・位置関係などを調べます。
治療
- 脱が軽度であれば、骨盤底筋体操、脱を自分で戻すこと、肥満や便秘などの改善などで対応します。
- 膣ペッサリーという器具を膣の中に入れて骨盤臓器を落ちてこないように持ち上げる方法です。ただし、膣の感染・びらん・出血などが起きて不快感・疼痛を生じることがあるため、通院で定期的な交換が必要になります。
- 脱を根本的に治すには手術が必要となります。手術は以下の方法があります。
- メッシュなどの人工物を使用せず自分自身の組織で骨盤底を補強する従来の手術
膣壁形成術、膣閉鎖術、膣式子宮全摘術などがあります。再発が多いことが問題です。 - 膣式メッシュ手術(TVM ; Transvaginal Mesh Mesh)
人工のメッシュを経膣的に挿入して脱を修復する方法です。再発率が少なく、2010 年に日本で保険適用となり急速に普及しましたが、メッシュの露出・感染・出血・膀胱や直腸へのメッシュの迷入等の重篤な合併症の報告があり、米国FDA からの警告が出され、この術式に関しては慎重論が高まっています。本邦ではTVM の合併症の報告が少ないと言われており、継続している施設もあります。 - 腹腔鏡下またはロボット支援仙骨膣固定術
腹部に5ヶ所程度1cm 前後の穴を開けポートという細い筒を挿入し、腹部を炭酸ガスで膨らませ、ハサミやつまむ道具をポートから入れて、子宮上部を切断し膣を剥がし、メッシュの尾側端を膣と縫合・固定し、膣をメッシュで吊り上げてメッシュの頭側端を仙骨(お尻に近い背骨の一部)前面の前縦靭帯に縫い付ける方法です。様々な種類の骨盤臓器脱に対して有効で、再発率は少なく、メッシュの露出などの合併症はTVM より少ないと報告されています。
- メッシュなどの人工物を使用せず自分自身の組織で骨盤底を補強する従来の手術
上記の術式のうち、当院では、ロボット支援仙骨膣固定術を行っております。
再発や合併症が少なく、侵襲度の低い優れた手術方法です。
外来担当医表
| 時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
午前 | 予約制なし | 予約制なし | 第1.3.5週 第2.4週 | |||
午後 | 予約制なし | 女性骨盤臓器脱外来 | 予約制なし | 予約制なし |
受付時間:午前8:00~12:00 午後12:30~16:30
診察時間:午前9:00~13:00 午後13:00~17:30
外来担当医
部長 徳永 まゆ子(とくなが まゆこ)
- 専門
- 泌尿器科全般
- 所属
- 日本泌尿器科学会 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 日本癌治療学会
日本泌尿器腫瘍学会 日本老年泌尿器科学会 - 資格
- 日本泌尿器科学会専門医 日本泌尿器科学会指導医
手術支援ロボットダヴィンチ資格認定
がん治療認定医
