放射線科
放射線科では、放射線科医師1名、診療放射線技師16名、受付1名からなる18名のスタッフで業務を行っております。
主な業務は、MRI、CT、マンモグラフィ、一般撮影、血管撮影、消化管撮影と多岐にわたります。また、スタッフは勉強会、研修会等に参加し、知識と技術の向上に努めております。
一般撮影
皆さんが身近に思えるところとしては、健康診断で受ける胸の写真ですね。また、腰が痛かったり、指を何かで挟んだりしたときも、やはりレントゲン写真を撮影します。医師が皆さんの体の状態を把握するために必要なものが、この一般撮影なのです。

下の写真はお腹の写真です。
① ② ③のところを注目してください。

①と②はブラジャーをしたまま撮影されたことがわかります。③は服のチャックです。
ブラジャーにしろ、チャックにしろ、金属は写真にこんな感じに写ってきます。皆さんもお気づきのようにこれでは患者様の体の情報が隠れてしまいます。せっかく写真を撮ってもこれでは意味がありません。
体調不良で来院している患者様には辛いこととは思いますが、検査着への着替えや服の脱衣のご協力をお願いします。
※その他に気をつけたほうがいいもの
エレキバン、カイロ、入歯、めがね、かつら、ウイッグ
CT
2021年5月に320列CTであるAquilionONEを導入し、短時間で高画質な精密検査が可能になりました。

320列CTのメリット
- 従来のCTより撮影時間が短くなったため、息止めや体動抑制の短縮で患者様負担が軽減されました。
- 息止めや体動抑制が困難な小児や救急患者の撮影においてもぶれの少ない見やすい画像を得ることが出来ます。
- 被ばく量を低減することが出来ます。
- 造影CT検査において、使用する造影剤の量を減らすことが可能になります。
- 脳神経領域、整形外科領域、消化管・腹部領域、循環器・血管領域など検査の種類によりカラー3D画像診断を提供します。
- 冠動脈撮影において、320列CTは心臓全体を1回転で撮影することが可能なため、 短い撮影時間で画像に生じるぶれ(動き)のない高精度な画像を得ることが出来ます。また、脈拍の変動や不整脈も対応可能になりました。
CT検査の種類と特徴
CTには単純CT検査と造影剤を使用した造影CT検査があります。また、撮影した画像をもとに3D画像を作成することができます。
① 単純CT検査
頭部領域:脳出血、脳梗塞、脳腫瘍、くも膜下出血など
胸部領域:肺炎、肺がん、肺結核、気管支炎など
腹部領域:肝臓がん・膵臓がん、消化管穿孔、肝硬変など
整形領域:骨折の有無など

脳出血していることが分かります

腫瘤があり肺がんが疑われます

膵臓が炎症しており膵炎が疑われます

大腿骨頸部の骨折が分かります
② 造影CT検査
造影剤を使用することで単純CT検査ではわかりづらい細かな部分まで精査することが出来ます。
頭部領域:脳腫瘍、脳動脈瘤など
胸部領域:心臓の疾患、大動脈解離や大動脈瘤などの血管の病気、腫瘤など
腹部領域:腹痛精査や肝臓などのがんの精査

造影剤の染まり方から肝血管腫が疑われます

腫瘤が造影剤で染まっており乳がんが疑われます

肺動脈の一部が染まっていないため血栓があることが分かります

大動脈が解離していることが分かります
③ 3D画像の作成
さらに3D作成によって血管の走行や骨折の有無など確認することが出来ます。

腹部の血管に動脈瘤があることが分かります

足関節が骨折していることが分かります

心臓と冠動脈の位置関係を立体的に観察できます

肺の血管と腫瘤の位置関係が分かります
MRI

当院では1.5テスラMRIを導入しています。
シーメンス社(MAGNETOM Area 1.5T)
MRI検査とは?
強力な磁石でできたドーナツ状の筒の中に入り、磁気の力を利用して体の断面や血管を撮影する検査です。体内の様々な病巣を発見することができますが、特に脳や卵巣、前立腺等の下腹部、脊椎、四肢などの病巣に関しては、圧倒的な検査能力を持っています。
- 検査時間は20分~40分です。
(検査部位・条件により異なります) - 検査中はただ横になっているだけです。
(動きに弱いので、体を動かさないでください)

① 装置開口部の直径が大口径になり、また開口部内部に照明が付き明るくなった事で、検査時の圧迫感や閉塞感が軽減されます。
② 従来のMRI検査と同じ時間でより鮮明な画像を提供できます。
MRI写真の種類
透視撮影
患部を透視画像で確認しながら撮影する検査です。
上部消化管の検査
バリウムという飲む造影剤を口から飲んで食道や胃・十二指腸の粘膜の様子をみます。
大腸の検査
注腸検査と言われています。胃の検査ではバリウムを飲みますが、腸の検査ではバリウムを肛門から管を使って注入します。腸の粘膜の様子をみます。
腹部血管造影

造影剤を注入して肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・腸などの腹部臓器の血管を染め出し、連続して血管の形の変化や異常を観察します。
腹部臓器や腹部血管の病気の診断。腹部臓器の手術の敵・不適、手術の方法や範囲の決定のために行われる検査です。
X線骨密度測定装置(DEXA法)
当院では、正確に、短い時間で、 少ないX線量で検査できるX線骨密度測定装置を導入しています。この検査は、骨の健康状態(骨粗しょう症の程度)をチェックし、骨密度の減少を早期に発見し、骨折の原因となる骨粗しょう症の予防や適切な治療を行うことが出来ます。
腰椎と大腿骨に二種類のエネルギーのX線を照射し、X線の骨による吸収の差を利用し骨塩量を測定します。
当院機器の特徴
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当院機器は日本骨代謝学会でも推奨されているDEXA法による検査を行う装置です
様々な骨密度測定法がある中でも、最も測定精度の高い方法です。
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「腰椎」と「大腿骨」の複数部位にて検査が行えます
当院機器は、骨粗しょう症学会のガイドラインで推奨されている腰椎・大腿骨頸部で測定できます。複数部位を測定する事により、高精度な結果を得ることが出来るようになります。
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とてもスピーディーに検査ができます
検査中はあおむけに寝ているだけです。また検査時間も5分程度と、短時間で終了します。
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非常に見やすい測定結果
患者様にむけて作成されているので非常にわかりやすく、前回測定の結果も記載されています。
長尺撮影(スロット撮影)

スロット撮影とは、X線をスリット上に絞り、映像系を平行移動させながら画像を収集し、得られた画像をつなぎ合わせて1枚の長尺画像に再構成しています。
また、スリット上にする事で散乱線の影響を抑えた高画質な画像が低線量で撮影出来ますので、患者様の被爆低減にも繋がっています。当院では、この撮影法で全脊椎と全下肢を撮影しています。
肝臓・胆嚢・膵臓の検査
PTCD(経皮的胆管ドレナージ)やERCP(内視鏡的逆行性胆・膵管造影)という検査をします。PTCDは直接胆道に針を刺し、そこから造影剤を注入し胆嚢や胆道の描出をするものです。
黄疸の軽減や胆道の狭窄部位の検索ために行われます。
またERCPは口から内視鏡を入れ、造影剤を注入することによって胆嚢から膵管までの流れを追う検査です。

乳房撮影(マンモグラフィ)
撮影装置

シーメンス社 MAMMOMAT Inspiration(2016年5月導入)
従来のマンモグラフィに加えて、デジタルマンモグラフィでの「トモシンセシス」撮影が可能となります。
Siemens社 MAMMOMAT Inspiration
マンモグラフィ検査とは、乳房専用のレントゲン撮影のことです。
写真のように、台とプラスチックの2枚の板の間に乳房を片方ずつ挟んで、薄く引き延ばした状態で撮影します。上から下へ挟む方法と、斜めに挟む方法の2方向から、左右を比較するために両方の乳房を撮影していきます。(写真①)

トモシンセス撮影は異なる角度から25回撮影を行い、収集された情報を再構成し1mmスライスごとに表示させることができます。乳腺との重なりなどで,2Dでは表示できなかった部位を観察することができます。
撮影時に挟む圧力は、自動で制御していて影後終了と同時に板が離れる仕組みになっています。圧迫で痛みは伴いますが、圧迫によって乳房を1cmにすることで被ばく線量は半分に減少し、乳房内も見やすくなります。
●撮影は全て女性の技師が行っています。気になることがございましたら、お気軽にお声を掛けてください。
※以下の項目に1つでも該当する場合は受診出来ません
- 現在妊娠している方
- 豊胸手術の既往や皮下埋め込み型ポートシャントをしている方
- 心臓ペースメーカー・埋込型除細動器(ICD)を装着している方