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脊椎・脊髄外科のご案内

1. 腰椎椎間板ヘルニア

『椎間板』は背骨と背骨の間の軟骨のクッションです。椎間板は常に力学的負荷がかかっているので10代後半から変性(老化)が始まります。そして変性により椎間板の中心にある「髄核」という柔らかい組織が脱出して神経に当たり圧迫・炎症を起こしてしまった状態が椎間板ヘルニアです。腰痛・臀部痛・下肢痛が出現し起床時や重いものを持ったり靴下を着脱、足の爪切り時等に痛みが増強します。痛みが強いと歩行困難になります。症状が進行すると下肢の力が入りにくくなりつまづいたり膝崩れが起きたりします。神経が強く圧迫されると排尿や排便の障害が起きることもあります。

腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニア

日本整形外科学会 患者用パンフレットより

腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニア

治療は内服薬やコルセット、神経ブロックなどの保存的治療が基本です。しかし保存的治療でよくならない場合は手術をする場合もあります。なかなかよくならない方にとって手術のメリットは症状が軽くなるまでの時間が短くて済むことです。また、筋力低下が進行する場合や膀胱・直腸の障害がある場合も手術適応となります。

手術は内視鏡で脱出した髄核を摘出する方法(MED)が主です。しかし場合によっては肉眼で見て手術をしたほうが安全で確実な場合もあります。また「ヘルニコア」という髄核を分解する酵素を椎間板に注入し時間をかけて症状の改善を待つ新しい方法もあります(当院は『ヘルニコア実施可能認定施設』です)。 局所麻酔でレントゲンを見ながら薬を注入します。

治療については当院の日本脊椎脊髄病学会指導医にご相談ください。

腰椎椎間板ヘルニア

内視鏡下髄核摘出術(MED)

腰椎椎間板ヘルニア

モニターを見ながら手術をします

腰椎椎間板ヘルニア

神経根をよけて直下にあるヘルニアを摘出している内視鏡の画像です

ヘルニコア
ヘルニコアの作用機序

ヘルニコアの作用機序

2. 腰部脊柱管狭窄症

『脊柱管』とは背骨の中の神経(脊髄や馬尾)の通り道のことです。
長年体を支えてきた年齢的変化で背骨が変形したり靱帯が分厚くなったりしてこの神経の通り道が狭くなってしまい、座骨神経痛やしびれ・脱力などの症状が出現した状態が腰部脊柱管狭窄症です。

腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症

日本整形外科学会 患者用パンフレットより

腰部脊柱管狭窄症

症状は痛み・しびれ感のほかに、足の裏の違和感(砂利を踏んだような)、股間のほてり、残尿感・便秘などの膀胱・直腸症状も出現します。これらの症状は立っていたり歩いていたりすると出現し次第にひどくなってきて休まなければならなくなりますが、しゃがんで休むと症状は軽くなります(間欠性跛行)。

自分でできる日常生活の工夫としては、台所などでの立っている作業は10cm程度の踏み台に片足を乗せたり、歩くときは少し前かがみになるように杖をついたり押し車を利用するといったことがあります。

腰部脊柱管狭窄症

治療は、薬(血流をよくする薬や痛み止め)、注射、神経ブロックなどの保存的治療を行いますが、効果がない場合は脊柱管を直接広げる手術療法をすることもあります。手術は内視鏡でできる場合もありますが(MEL)、手術用拡大鏡を用いて肉眼的に圧迫を解除する方が安全で確実な場合もあります。当院の日本脊椎脊髄病学会指導医にご相談ください。

腰部脊柱管狭窄症

内視鏡下椎弓形成術(MEL)

腰部脊柱管狭窄症

拡大開窓術

腰部脊柱管狭窄症

骨(椎弓)と黄色靱帯を切除し硬膜が見えている

3. 腰椎変性すべり

腰の骨が前後にずれてしまう病気で、中年以降の女性に多く、4番目の腰椎によく起こります。多くは加齢による変化で、脊柱管(神経の通り道)が狭くなることで神経が圧迫されて、腰痛や坐骨神経痛、脚の痛みやしびれが起こります。つまり症状は上記の脊柱管狭窄症と同じです。

腰椎変性すべり
腰椎変性すべり
腰椎変性すべり

日本整形外科学会 HPより

治療は保存的治療が原則です。腰痛が強い場合は、コルセットを着け日常生活で腰に負担がかかる動作を避けることが大切です。鎮痛剤や血流のよくなる内服薬や注射、神経ブロックなどを行います。これらの治療で痛み・しびれが改善しないようであれば手術を行うことになります。手術は神経の圧迫を取り除く手術をしますが、すべりが不安定な場合などはスクリューを入れて固定術をしなければならない場合もあります。固定術をすればある程度すべりを元に戻すことも可能ですし進行予防になります。詳しくは当院の日本脊椎脊髄病学会指導医にご相談ください。

腰椎変性すべり

椎弓根スクリュー

腰椎変性すべり

チタンケージ

腰椎変性すべり

これらを用いた後方進入椎体間固定術

4. 脊椎分離症・分離すべり症

脊椎分離症は、脊椎の一部分が本来つながっているべき骨の連続性が絶たれてしまっている(分離している)疾患です。主に5番目の腰椎(腰の骨)に生じ、体が柔らかい小・中学生時にスポーツでジャンプや腰の回旋を繰り返し行うと起こってくる疲労骨折と考えられていますが、一部遺伝も関与していると考えられています。一般の人では5%程度に分離症の人がいますが、スポーツ選手では30~40%の人が分離症になっています。早期にコルセットやギプス固定などの適切な治療を行うことで骨折した部分の癒合が期待できますので、お子さんに運動時の強い腰痛が生じた場合は早期に受診してください。ただし骨癒合のためにはしばらく運動は禁止となります。

分離症が放置されると徐々に分離すべり症になっていくことがあります。
大人になって腰痛や下肢痛・しびれがない無症状の人も多くいますが、症状が強く日常生活に支障があるような場合は手術治療をする場合もあります。内視鏡で分離部の骨の出っ張りを削ったり、分離部をきれいにして自分の骨を移植したり、固定術を行って分離部が動かないようにしたりと症状に合わせいろいろな手術があります。

脊椎分離症・分離すべり症
脊椎分離症・分離すべり症

日本整形外科学会 HPより

脊椎分離症・分離すべり症
脊椎分離症・分離すべり症

レントゲン写真でテリアに似ているので「テリアの首輪サイン」と呼びます。首輪が分離部です。

5. 頚椎椎間板ヘルニア

頚椎は背骨の首の部分の骨で7個あります。『椎間板』は背骨と背骨の間の軟骨のクッションです。椎間板は常に力学的負荷がかかっているので10代後半から変性(老化)が始まります。そして変性により椎間板の中心にある「髄核」という柔らかい組織が脱出して神経に当たってしまった状態が椎間板ヘルニアです。

頚椎椎間板ヘルニア

日本整形外科学会 患者用パンフレットより

症状はヘルニアの出っ張った方向によって違います。よくあるのは左右どちらかに出っ張ることで脊髄から枝分かれした「神経根」を圧迫し、片側の頚部~肩~背中~腕~手指の痛みやしびれが起こります。特に上を向くと「ビビッ」と痛みが来ます。また力が入りにくくなることもあります。一方中央に大きく出っ張った場合は「脊髄の本幹」を圧迫することによって、手指の細かな動き(箸を使う、ボタンをかける、ヒモを結ぶ等)がうまくできなくなったり、歩行が不安定になったり膀胱直腸障害(頻尿、尿閉、尿失禁)などの症状が出現します。

「神経根」の症状の場合はまずは保存的治療が基本です。カラーや鎮痛剤、神経ブロックなどを行います。しかし痛みが非常に強かったり、保存的治療の効果がなかったり「力が入らない」ことがよくなってこない場合は手術を行います。

「脊髄の本幹」が圧迫されている症状の場合は自然回復が難しいことが多く、脊髄障害を長時間放置すると回復困難となってしまうためタイミングを逃さず手術をすることが大切です。

頚椎椎間板ヘルニア
頚椎椎間板ヘルニア
頚椎椎間板ヘルニア

ヘルニアのMRI

頚椎椎間板ヘルニア

頸椎カラー装具

手術は首の後ろから行う後方手術(椎間孔開放術・椎弓形成術)と、のどの脇から行う前方手術(前方除圧固定術)があります。椎弓形成術は脊髄を守るトンネル(脊柱管)の後ろ壁である椎弓を切って脊柱管を広げ脊髄の逃げ場所を作ってあげる手術です。椎間孔開放術は神経根が通るトンネル(椎間孔)の後ろ壁に穴を開けて神経根の圧迫を取り、さらに神経根を除けてヘルニアを取り除く手術です。この手術は内視鏡を使用して行う場合もあります。

前方手術はのどの脇を切って、頚動脈・気管・食道を除けて頚椎の前側から椎間板ごと取り除いて脊髄や神経根への圧迫を直接取り除き、かわりに自分の骨などを使って固定する手術です。昨年日本でも使用が認可された「人工椎間板」も今後は行っていく予定です。

頚椎椎間板ヘルニア

椎弓形成術:脊髄が見えている

頚椎椎間板ヘルニア

プレートと人工骨で固定後

頚椎椎間板ヘルニア
頚椎椎間板ヘルニア

前方除圧固定術 自家骨を充填したケージを挿入しプレートとスクリューで固定

6. 頚椎症性神経根症、頚椎症性脊髄症

頚椎(首の背骨)とその間にあるクッションである椎間板の加齢的変化により、椎間板の高さが減ったり、それに伴って頚椎に骨棘という骨のとげができてきます。このような変化により頚部痛が生じたり、さらに進行すると脊髄から枝分かれした神経根や、さらに進行すると脊髄本幹を圧迫するようになり、上記⑤の頚椎椎間板ヘルニアと同様の症状がでてきます(頚部~背部~腕~手指のしびれ・痛み、筋力低下、細かい手の動きの障害、歩行障害、膀胱直腸障害など)。

治療も椎間板ヘルニアと同様にまずは内服薬や神経ブロックなどの保存的治療を行います。神経根症の症状は、多くの人は2~3か月で軽減することが多いですが、また再発することもあります。症状が強く保存的治療の効果が不十分の場合は手術をすることもあります。脊髄本幹の症状の場合は進行してくるようなら手術治療となることが多くなります。これは症状が悪化してしまってから手術をしてもよくならないことが多いからです。

頚椎症性神経根症、頚椎症性脊髄症
頚椎症性神経根症、頚椎症性脊髄症

手術は頚椎椎間板ヘルニアと同様ですので上記⑤をご参照ください。

7. 頚椎後縦靭帯骨化症

後縦靭帯は、首の骨(頚椎)の椎体の後面にある靱帯で、首の骨を正常な位置に保持し、首の異常な動きを制限して脊髄を保護しています。この後縦靭帯が骨のようになってしまい(骨化)脊髄を圧迫する病気が『後縦靭帯骨化症』です。日本人に比較的多く、頻度は約3%、40~50歳台の男性に多く、糖尿病との関連ある場合があります。原因については今のところ不明です。

進行すると脊髄圧迫による頚部や肩の痛み、手足のしびれ感、手指の運動障害、歩行障害、膀胱直腸障害などが出現します。原因が不明なので根本的な治療はなく、症状の改善・信仰予防には手術をして脊髄の圧迫を減らすしかありません。また症状がないか軽くても転倒などのけがで脊髄麻痺を生じることがあるので注意が必要で手術の方法は、主には首の後ろから椎弓を切って脊髄のトンネル(脊柱管)を広げる椎弓形成術を行います。

ただし首が後ろ曲がりの人には効果が少ないため、のどの脇から入って直接骨化した後縦靭帯を浮き上がらせる手術をしなければならない場合もあります(骨化浮上・前方固定術)。

頚椎後縦靭帯骨化症
頚椎後縦靭帯骨化症
頚椎後縦靭帯骨化症
頚椎後縦靭帯骨化症

日本整形外科学会 患者用パンフレットより

8. 骨粗鬆症性椎体(圧迫)骨折

骨粗鬆症は、「新しい骨を作る働き(骨形成)」よりも「新しい骨を作るために骨を溶かす働き(骨吸収)」が上回ってしまい骨量が減少した状態です。骨粗鬆症になると骨がすかすかになるだけではなく、骨の質も変化して骨がもろくなり、尻もちなどのちょっとしたけがで背骨・手首・腿の骨の付け根の骨などの骨が折れてしまいます。転んだりしていないのに重いものを持っただけで骨が折れてしまう場合もありますし、中には何も原因はないのに骨折してしまう場合があります。「ぎっくり腰」だと思っていて病院で検査したら「圧迫骨折」だった!ということがよくありますので病院できちんと検査することお勧めします。

背骨が骨折すると、四角い形をした骨がつぶれてしまい『圧迫骨折』という名前がついています。

骨折すると腰や背中に激痛が起こります。身動きができなくなり救急車で搬送されてくる人もいるほどです。治療は応急処置としての固定(フィットキュアスパイン)と痛み止めの薬で早期にリハビリを開始、コルセットを作製しリハビリを続け機能の回復を目指す保存的治療が基本です。しかし骨折がなかなか良くならず強い痛みが続いている場合には、骨折した骨の中に背骨用のセメントや人工の骨を詰め込む手術をすることで痛みを軽くすることができます(椎体形成術)。またつぶれた背骨や変形によって神経が圧迫され麻痺や強い痛み・しびれが出てしまった場合も手術を行うことがあります。

骨粗鬆症性椎体(圧迫)骨折
骨粗鬆症性椎体(圧迫)骨折

日本整形外科学会 患者用パンフレットより

骨粗鬆症性椎体(圧迫)骨折

フィットキュアスパイン(応急処置の仮固定)

骨粗鬆症性椎体(圧迫)骨折

硬性装具

骨粗鬆症性椎体(圧迫)骨折

HAブロック(人工骨)

骨粗鬆症性椎体(圧迫)骨折

椎体形成術

骨粗鬆症性椎体(圧迫)骨折

椎体形成術

手術をしない場合はつぶれた背骨は元の形には戻らないのでつぶれた形で治ります。このため痛みがとれたあとも背中が丸くなったり身長が低くなったりが残ります。

骨の代謝は女性ホルモンの影響を受けるため女性では閉経後に多く見られます。日本人女性の圧迫骨折の有病率は外国人女性と比べて高く、一度骨折を起こすと次々と起こりやすくなり、隣の背骨がつぶれたり、しばらくすると大腿骨の付け根が折れて(大腿骨頚部骨折)歩けなくなったりします。そこで骨密度・血液検査をして骨折予防のための治療(内服の薬や注射があります)をしていくことが「元気で長生き」のためにとても大切です。もちろん適度な運動や日光浴、食餌(カルシウムやたんぱく質)も大切ですがそれだけでは不十分になってしまうのが「骨の病気」である骨粗鬆症です。

骨粗鬆症性椎体(圧迫)骨折
骨粗鬆症性椎体(圧迫)骨折

この機械で骨密度を測定します

神経ブロックについて

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症による神経痛、つまり痛みを軽減する目的で行う特殊な注射です。(しびれや脱力等にはあまり効果は期待できません)主に2つのブロックを行っています。

1. 硬膜外ブロック

病室で行います。
まず横向きに寝て、膝を抱えてエビのように丸くなってもらいます。背中を消毒し、背骨の間(正確には棘突起という骨の出っ張りと出っ張りの間)に局所麻酔(歯医者さんでするのと同じ注射の麻酔なので刺す時少し痛いです)をします。麻酔が効いた後硬膜外ブロック用の針を刺し神経の袋(脊髄・馬尾の入った硬膜嚢)の直前(硬膜外腔)まで針先を進めます。針先がくも膜下腔まで進んでしまってないことを確認の上最初に少量の局所麻酔剤と副腎皮質ホルモン(ステロイド)を注入してみます。数分後特に問題なければ規定量の上記薬を注入します(硬膜外ブロック)。場合によっては硬膜外にチューブを留置し持続的に少量ずつ薬を注入する方法をとることもあります。
ブロック後は血圧低下や脚の力が入りずらいことがありますのでまず1時間安静にしたのち、問題がないことを確認した後に安静を解除とします。

硬膜外ブロック
硬膜外ブロック

頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症性神経根症による背中や腕・手指の痛みに対しても同様に硬膜外ブロックを行います。頚部硬膜外ブロックは座ってテーブルの上に置いたクッションの上に顔を置き首の後ろから硬膜外ブロック針を刺していきます。他は腰部硬膜外ブロックと同様です。ただ頚部硬膜外ブロックの場合、呼吸をする際に必要な筋肉の一時的な麻痺により呼吸ができなくなることがあり、この場合マスクで補助呼吸をしながら自発呼吸の回復を待ちます。そのためより慎重な観察と対応が必要になります。

また頚部交感神経もブロックされるため、一時的にまぶたが下がったり顔が火照ったり声がかすれたり(嗄声)することがあります。

2. 神経根ブロック

『腰部神経根ブロック』

1階放射線透視室で検査を行います。
まずうつぶせまたは斜めうつぶせに寝てもらいます。背中を消毒し、局所麻酔(歯医者さんでするのと同じ注射の麻酔なので刺す時少し痛いです)をします。麻酔が効いた後レントゲンで背骨の位置を確認し神経根の走行しているであろう位置に神経根造影用の針を刺します。針先が神経根に当たると臀部~脚に電気が走ったような強い痛みが出現します(神経根はレントゲンには写らないので「痛い!」が頼りです)。そしてこの時出現する痛みの場所がいつもの痛みの場所と似ているかどうかを教えてください、痛みの強さではなく痛みの場所です。それを確認した後、造影剤を注入し神経根を確認します(この際も痛みが走ります)。確認後局所麻酔剤と副腎皮質ホルモン(ステロイド、強い抗炎症作用)を注入し痛みを和らげます。
ブロック後は脚がしびれたり力が入りにくくなったりしますが3~4時間で回復します。ブロック後は1時間程度頭安静にします。

腰部神経根ブロック
腰部神経根ブロック

『頚部神経根ブロック』

1階放射線透視室で検査を行います。
まず仰向けで首の下に枕を入れて寝てもらいます。首を消毒し、局所麻酔(歯医者さんでするのと同じ注射の麻酔なので刺す際少し痛いです)をします。麻酔が効いた後レントゲンで首の骨の位置を確認し神経根の走行しているであろう位置に神経根造影用の針を刺します。針先が神経根に当たると背部~手指に電気が走ったような強い痛みが出現します(神経根はレントゲンには写らないので「痛い!」が頼りです)。そしてこの時出現する痛みの場所がいつもの痛みの場所と似ているかどうかを教えてください、痛みの強さではなく痛みの場所です。それを確認した後、造影剤を注入し神経根を確認します(この際も痛みが走ります)。確認後局所麻酔剤と副腎皮質ホルモン(ステロイド、強い抗炎症作用)を注入し痛みを和らげます。

ブロック後は腕や手指がしびれたり力が入りにくくなったりしますが3~4時間で回復します。ブロック後は1時間程度頭安静にします。 また頚部交感神経もブロックされるため、一時的にまぶたが下がったり顔が火照ったり声がかれたりすることがあります。
頚部神経根ブロックは超音波(エコー)を見ながら行うこともあります。

もちろんこれらのブロックを痛い思いをしてやっても、効果が思ったほどではなかったり痛みが再発したりする人もいます。その場合もう一度チャレンジしてみることもできますし、保存的治療に見切りをつけて手術治療へ方針を変更する場合もあります。

担当医紹介

岩永 真人(いわなが まひと)

<専門>
整形外科一般、脊椎外科

<資格>
日本脊椎脊髄病学会指導医
日本専門医機構認定脊椎脊髄外科専門医
日本整形外科学会整形外科専門医・日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医

脊椎・脊髄外科担当医:岩永 真人
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