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扁平足(偏平足・後脛骨筋腱機能不全症)

  1. 扁平足があって、内くるぶしの下が痛い。
  2. 扁平足があって、つま先立ちがしにくくなってきた。

扁平足であっても症状がない場合、それは個性であって、治療の対象にはなりません。

扁平足が原因で痛みを伴う方や、扁平足を伴って後脛骨筋という筋肉の働きが落ちてきた方が治療の対象となります。土踏まずを上げるインソールで改善が見られない場合、手術の適応となります。

2007年にMyersonらが発表した扁平足の分類は、古くからあるそれまでの治療法を、扁平足の病態と合わせて整理しなおしたすばらしい分類です。これによって、今まで適応の違いが明確でなかったいくつかの術式も、病態によって明確に適応を分けることができるようになりました。新しい分類法ですが、すでにアメリカではゴールドスタンダードになりつつあります。日本での認知はまだまだなようです。

この分類によれば、一見同じように見える扁平足も、かかとの骨が外向きであるもの、足の内側の骨が不安定でアーチがつぶれているもの、前足が外を向いているもの、という3つの病態に大別されます。患者様の扁平足がどの病態の組み合わせでなっているかを検討することで、最適な術式を選択します。

踵骨骨切り内方移動術

かかとの骨が外に向いている場合に行います。踵骨を関節にかからないところで斜めに骨切りし、地面に接地するほうの骨片を内側にずらしてスクリュー固定します。荷重軸をずらすことで筋のバランスをよくします。

古くは1893年にGleichが行った手術法ですが、Koutsogiannisが1971年に行ってから次々と良好な成績が報告され始めました。ほとんどのケースで症状の改善は期待できますが、外見上の改善はあまり期待できません。ただ、扁平足手術の軸となる手術法ではあります。

踵立方関節延長固定術・踵骨外側支柱延長術

前足が外向きのときに行います。踵骨・立方骨・舟状骨の3つの骨はL字をなして距骨を取り巻いていますが、踵骨が相対的に短いと、そのぶん舟状骨の距骨へのかぶりが浅くなります。すると、立方骨・舟状骨につながるそれ以遠の骨たちは外向きになり、外見上、前足が外向きなります。この手術法では、相対的に短い踵骨を長くすることで、距骨に対する舟状骨のかぶりをよくします。

この術式は1975年にEvansの論文として発表されましたが、彼は多大なる医学的貢献を果たしたこの論文が世に公表されるのを目にすることなく、その前年に64年の生涯を閉じています。

内側楔状骨骨切り術

内側のアーチがつぶれているときに行います。内側の骨をつなげる靭帯がしっかりしているときには、内側楔状骨を骨切りすることでアーチを形成します。靭帯がゆるい場合には、内側楔状骨と第1中足骨を癒合させることで、しっかりしたアーチを形成します。

この骨切り術は1936年にCottonが発表して以降、扁平足の治療に使われたという論文はほとんどありませんでしたが、Myersonの包括的な分類の一部を占めることで、華麗なる復活をとげました。

長趾屈筋腱移行術

後脛骨筋が伸びてしまったりすり切れていたりして、十分な筋力が期待できない時には、上記の術式に加えて腱移行術を追加します。他の手術法と併用することで、再発を遅らせることができると報告されています。

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